私は現在、介護老人保健施設の看護師として要介護者の医療に関わる仕事をしています。益々進む高齢化社会で介護の仕事に従事する人の不足が問題視されていますが、その中には介護現場で働く看護師の不足も含まれています。当サイトでは、高齢化社会の問題点と介護現場で働く看護師の実態についてご紹介をしながら、介護の未来を考えていきたいと思います。
介護施設で働くことのメリットとして、よく日勤常勤が取り上げられますが、介護老人保健施設は24時間体制のため、看護師も24時間常勤することとなっています。そのため夜勤の看護師が必要とされているのです。現在、看護師不足が問題になっていますが、病院などよりも介護施設の方が深刻です。私の働く施設では年配の看護師や子育て中の看護師が多いのですが、その理由としては病院やクリニックなどに比べて業務内容が楽だということが一つのようです。
夜勤の仕事は手当がつくので、日勤の勤務に比べて給料が高く、効率よく稼げるため、夜勤専従を好んで選択する人もいます。しかし、一般的に見て夜勤を避ける看護師の方が多く、そのため夜勤ができる看護師はとても重宝されています。私の働く施設では、夜勤になると看護師1人に介護士が5人という体制で100名の利用者をみます。介護士は法律で医療行為を認められていませんので、急変などがあった場合は看護師が対応しなければいけません。私は当初看護師が1人という状況に不安を覚えていましたが、介護士もいることで心強さも感じていました。
現在日本の介護が抱える問題点とは、どんなものがあるのでしょうか?
1.要介護の高齢者が増える・・・現在、国民の4人に1人が65歳以上という高齢化社会ですが、75歳以上の3人に1人は支援や介護が必要とされています。その上、10年後の2025年には国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者となり65歳以上の5人に1人が認知症となると言われています。
2.介護業界の人手不足・・・介護の必要な後期高齢者が増加する2025年までに約250万人の介護職従事者が必要と言われていますが、今の段階で予定している施策をすべて実行したとしても30万人も不足すると言われています。
3.予算の不足・・・高齢化に伴って年金や医療や介護といった社会保障費が増大し、すでに社会保険料だけでは足りず国や自治体からの税金を投入している状態です。
このような状況を知るうちに、看護師としての私に出来ることはないかと思い本サイトを立ち上げました。介護業界の未来について知って頂くことで、高齢化社会の問題解決に向かうことが出来ればと思います。
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特別養護老人ホームは在宅介護が困難な要介護者が入居する施設ですが、デイサービスやショートステイといった短期間の利用も可能となっています。そんな中で看護師の仕事は利用者の健康管理がメインとなりますが、もちろん食事や排せつの介助等の介護業務も行って入居者の生活のサポートを行います。
介護老人保健施設は介護が必要となった高齢者の自立を支援し、リハビリ等で家庭に復帰できるように支援する施設です。入居対象者は病状が安定して入院の必要のない要介護者で、看護師はその人たちの健康管理を中心に病状が悪化したときに医師から指示を受けて対応をしたり、病院への付き添いをしたりといった仕事をします。
看護師を必要とするのは病院だけではありません。地方自治体が運営する介護施設も民間運営の介護施設もその規模によって看護師を常勤させることが義務づけられているのです。その結果、ただでさえ不足している看護師は引っ張りだことなっています。今後の超高齢化社会の到来を見据えたとき、病院、介護施設とも看護師の確保ができるかどうかが死活問題となってきます。
当サイトについて
介護老人保健施設で働く30代後半の看護師です。看護師の仕事は県内の中規模病院でスタートしましたが、結婚出産を機に病院を離れて、子供が保育園に入った昨年から今の介護老人保健施設で看護師として再就職をしました。病院に比べて勤務時間に余裕のある仕事ですが、高齢者の方の介護や看護をする毎日は病院時代とあまり変わりません。充実した設備の施設だけに入居待ちをしている高齢者の方が沢山います。今後、ますます高齢者が増えることを考えるといろいろな問題点が見えてきます。